光コラボとIPv6接続サービス

光コラボのサイトを見ていると、IPv6(IPoE方式)やIPv4 over IPv6に対応していることを記載しているケースがよくあります。

また、v6プラスやOCNバーチャルコネクト、DS-Liteといった名称も見かけますが、何のことだかよくわからない人も多いのではないでしょうか。

今回はこれらの名称について簡単に説明していきます。

IPv6とIPv4

まず、IPとはInternet Protocol(インターネットプロトコル)の意味で、インターネットで通信するための規格のことです。

IPv4はIPのバージョン4、IPv6はバージョン6です。

IPで通信するときは、ネットワークに接続された機器(PC、スマホなど)に「IPアドレス」という識別番号を割り当てます。

しかし、インターネットの世界的な普及や接続機器の増加により、これまでのIPv4で使用していたIPアドレスが足りなくなる問題が出てきたため、新たにIPv6が誕生し利用されるようになったのです。

現在のインターネットはIPv4からIPv6に移行中の段階であり、IPv4対応サイトで構成されたIPv4インターネットとIPv6対応サイトで構成されたIPv6インターネットが併存している状態です。

例を挙げれば、google、YouTube、Facebook、Instagram、WikipediaといったサイトはIPv6に対応していますが、現状ではIPv6に対応しているサイトの方が少ないです。

 

<参考サイト>
Wikipedia IPv6

 

IPoEとPPPoEとIPv4 over IPv6

IPv4インターネットで通信するときの接続方式が「PPPoE」です。

IPv4(PPPoE方式)通信のイメージ図

上の図のONU(回線終端装置)はユーザーの部屋に通した光ケーブルと最初に接続する機器で、光信号とデジタル信号を変換する役割があります。
サービスによってはONUとルーターが一体になったホームゲートウェイを使用する場合もあります。

PPPoEでの通信はNTTのフレッツ網とISP(インターネットサービスプロバイダー)の接続点である「網終端装置」を通過するのですが、アクセスが集中する時間帯にここが混雑すると速度の低下が起きることがあります。

一方、IPv6インターネットで通信するときの接続方式は「PPPoE」の他に「IPoE」もあります。

IPoEでの通信は網終端装置を通らずに通信するため、ここが混雑しやすい時間帯でも速度が低下しにくいのです。

IPv4 over IPv6」は、下の図のようにIPv6(IPoE方式)のネットワークを通してIPv4インターネットに接続する技術で、IPoE方式のためこちらも混雑を避けて通信をすることができます。

IPv6(IPoE方式)及びIPv4 over IPv6での通信イメージ

光コラボのサイトでIPv6(IPoE方式)やIPv4 over IPv6に対応していることをアピールしているのはこのようなメリットがあるからです。VNEが何かは次に説明します。

 

<参考サイト>
Wikipedia フレッツ網におけるIPv6

NTTドコモ IPv6インターネット接続

NTTPCコミュニケーションズ 【初心者でも分かる】PPPoE方式とIPoE方式の違いとメリット

IPv6接続サービス

IPv6(IPoE方式)やIPv4 over IPv6での接続サービスを提供しているのが「VNE(Virtural Network Enabler)」と呼ばれる事業者です。

ISP(インターネットサービスプロバイダ―)は、VNEのIPv6接続サービスを利用してエンドユーザーに光回線を提供しているのですが、ビッグローブや朝日ネットのようにISPの会社がVNE事業を行っているケースもあります。

IPv4 over IPv6には「MAP-E」や「DS-Lite(Dual-Stack Lite)」といった複数の接続方式があり、VNEによって採用しているものが違っています。

このサイトで紹介している光コラボがどのVNEのIPv6接続サービスを利用しているか以下にまとめました。

IPv6接続サービス
VNE
IPv4 over IPv6接続方式 光コラボ
v6プラス 株式会社JPIX MAP-E GMOとくとくBB光
So-net光 minico
OCNバーチャルコネクト エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社 ドコモ光(OCNインターネット)
ahamo光
IPv6オプション ビッグローブ株式会社 ビッグローブ光
Transix
(トランジックス)
インターネットマルチフィード株式会社 DS-Lite エキサイトMEC光
エキサイト光Fit
IIJmioひかり
クロスパス アルテリア・ネットワークス株式会社 楽天ひかり
v6 コネクト 株式会社朝日ネット AsahiNet光

v6プラスは、株式会社JPIXが提供しているIPv6の接続サービス名のことで、IPv4 over IPv6の接続方式はMAP-Eを採用しています。

ドコモ光(プロバイダーはOCNインターネット)とahamo光は、NTTコミュニケーションズが提供するOCNバーチャルコネクトを利用しています。

DS-LiteとはIPv4 over IPv6の接続方式の一つであり、これを採用したIPv6接続サービスはTransixとクロスパス、v6 コネクトがあります。

このように光コラボごとに利用しているIPv6接続サービスが異なっていますが、ルーターの無料レンタルサービスがあるところなら対応している機種が貸し出されるため、違いを気にする必要は有りません。

自分で購入して用意する必要があるときは、その光コラボが利用しているIPv6接続サービスに対応しているものを選ぶようにしましょう。

市販されているWi-Fiルーターによって対応しているIPv6接続サービスが違っていますが、中には上記の6つのサービス全てに対応している機種もあるため、将来別の光コラボの乗り換えることがありそうなら、こうした機種を選んでおくと便利です。

ネット通販なら、商品ページの製品スペック欄に対応しているIPv6接続サービス名が記載されているためチェックしておきましょう。

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