長い契約期間に縛らずにモバイルWiFiを利用したい人に便利なサービスが、レンタルWiFiの「縛りなしWiFi」。
WiMAXやPocketWiFiの端末をレンタルしてインターネットを利用できます。
知名度は低いですが、わかりやすい名前の通り契約期間の縛りがないことや月額料金の安さで魅力のあるサービスです。
今回はこの「縛りなしWiFi」とモバイルWiFiの代表格であるWiMAXやY!mobileのPocketWiFi(以下ポケットWiFiと表記)を比較し、料金や使用端末、契約条件でどんな違いがあるのかを整理してみました。
契約期間と解約違約金
縛りなしWiFiは、端末を1か月単位の契約でレンタルして利用するサービスのため、利用開始後1か月経った後はいつでも解約ができます。
解約を申し込んだ月の翌月末で解約となり、契約解除料や解約違約金といった解約金はありません。
WiMAXは、1年や2年の契約ができるプロバイダーだと端末代が有料で月額料金が高くなっており、端末代が無料で月額料金が安いプロバイダーは3年契約となっています。
3年契約のプロバイダーでは契約期間中に解約する場合は利用期間ごとに下記の解約違約金がかかります。
- 1ヶ月目〜12ヶ月目まで 19,000円(税抜)
- 13ヶ月目〜24ヶ月目まで 14,000円(税抜)
- 25ヶ月目以降 9,500円(税抜)
3年利用後の契約更新月に解約した場合は解約違約金は無料で、契約更新した後は3年ごとにある契約更新月以外の月に解約すると9,500円がかかります。
ポケットWiFiは、以前は契約期間が3年間でしたが、新しく始まったPocket WiFiプラン2(ベーシック)は「年間契約の定めのない」プランとなっています。
その代わり端末代が有料で月額料金は高いです。
WiMAXは月額料金が安いプロバイダーだと契約期間が長く、ポケットWiFiは契約期間が無いけど端末代が有料で月額料金が高いといったデメリットがあります。
契約期間の縛りが無く料金が安いWiFiを使いたいというニーズに応えたサービスが「縛りなしWiFi」です。
端末の機種の違い
縛りなしWiFiの端末
縛りなしWiFiは、WiMAX回線用ソフトバンク回線用の端末が下記の様に3機種ずつ用意されており、端末の機種は指定できず申し込んだときの在庫状況に応じてどれから送られてきます。
WiMAX
W04・W05・W06・WX05 ソフトバンク 801ZT・601HW・FS030W |
また、在庫状況によっては上記以外の端末が送られてくる場合もあります。
※現在、WiMAXの端末は売り切れとなっています。
WiMAXの端末
WiMAXは、モバイルルーターのWX06やW06のほか自宅で使う際に便利なホームルーターのHOME02やHOME L02も選べます。
1年や2年契約のプロバイダーでは端末代は有料で、3年契約のプロバイダーなら端末代は無料です。
Pocket WiFiの端末
Pocket WiFiプラン2(ベーシック)の端末は現時点でY!mobileのオンラインショップで購入できるのは803ZT、801HWの2機種で端末代がかかります。
803ZT:10,800円
801HW :10,800円 |
端末代金は契約時に1活払いのほか36回の分割払いも選択できます。
料金・費用の違い
次に、3サービスの初期費用や月額料金、その他の費用を比較します。
WiMAXは多くのプロバイダーから提供されていますが、ここでは3年間の総費用が最も安いプロバイダーの「GMOとくとくBB」の月額割引キャンペーンの場合とします。
Y!mobileは高速データ通信容量の上限が無くなる「アドバンスオプション」に加入した場合の料金です。
(通常月額料金3,696円+アドバンスオプション料684円=合計4,380円)
アドバンスオプション料は初月は無料です。
初期費用と月額料金
3年間使った場合にかかる費用を以下の表にまとめました。
縛りなしWiFi | WiMAX | ポケットWiFi |
|
契約事務手数料 | 3,000円 | 3,000円 | 3,000円 |
利用開始月の料金 | 日割り | 日割り | 日割り |
1~2か月目まで | 通常プラン:3,300円 50GBプラン:3,250円 20GBプラン:3,000円 WiMAXプラン:4,300円 |
2,590円 | 4,380円 |
3~24か月目まで | 上記と同じ | 3,344円 | 上記と同じ |
25か月目~ | 上記と同じ | 4,263円 | 上記と同じ |
端末代 | 無料 |
無料 |
10,800円 |
3年総費用 | 通常プラン:121,800円 50GBプラン:120,000円 20GBプラン:111,000円 WiMAXプラン:157,800円 |
136,757円 |
170,796円 |
利用開始月は、各サービスともに1か月目の料金の日割りになりますが、ここでは月の初日から使い始めたと仮定して1か月分の料金で計算しています。
WiMAX(GMOとくとくBB)は最初の2か月間だけ割引されていますが、3か月目以降に通常料金に戻ります。
縛りなしWiFiとポケットWiFiは初月からずっと同じ料金です。
3年間使った場合の総費用では、縛りなしWiFiの通常プランや50GBプラン、20GBプランならWiMAXより安く、縛りなしWiFiのWiMAXプランより通常のWiMAXの方が安いという結果でした。
このため、3年きっちり使う予定なら通常のWiMAXを利用した方が良いですが、WiMAXは契約期間の途中で解約した場合は「解約違約金」がかかるため、短期利用の場合は縛りなしプランのWiMAXプランの方が安上がりになります。
使える通信容量と通信制限(速度制限)
縛りなしWiFiの速度制限条件は下記のようになっています。
50GBプラン:月に50GBを超えると当月制限
20GBプラン:月に20GBを超えると当月制限
WiMAXプラン:3日で10GB超えると翌日の夜間に制限
通常プランなら1日2GBを超えて制限がかかっても翌日には解除され、月間だと60GB程度は高速のまま使えることになります。
ライトプランは月間容量が20GBなので1日2GB超えることがあっても制限がかかりませんが、使用量が20GB超えると月末まで制限されて使い物にならなくなるため注意が必要です。
WiMAXプランの制限条件は通常のWiMAXと同じです。
WiMAXの制限条件は、直近3日間の使用量が10GBを超えると翌日の18時から次の日の2時頃まで速度制限され、制限後の最大速度は1Mbpsとなっています。
3日で10GB超えないようにしてギリギリまで使うとすれば、ひと月で100GB弱は使えることになります。
ポケットWiFiのPocket WiFiプラン2(ベーシック)はの高速データ通信容量の上限は7GBなのですが、月額684円の「アドバンスオプション」を付けることで7GBを超えても高速通信ができます。
ポケットWiFiの制限条件は、3日で10GBを超えると当日18時から翌日1時まで通信制限され、制限後の最大速度は1Mbpsとなっています。
WiMAX同様に高速のままだと月に100GBくらいは高速のまま使える計算になります。
縛りなしWiFiのWiMAX端末の注意点
縛りなしWiFiのWiMAX端末では、ハイスピードプラスエリアモードに切り替えると、月額料金とは別に1,005円(税抜)の支払い費用が発生し、その月の通信量上限が7GBまでになります。
これについては縛りなしWiFiのサイトの「よくある質問」のところにも載っています。
WiMAX端末にはハイスピードモードとハイスピードプラスエリアモードの2つがあり、主にはハイスピードモードを使用しますが、地下や山間地などでWiMAXが圏外のときにはauの回線が利用できるハイスピードプラスエリアモードが役立つことがあります。
モード名 | 回線 | 通信量の上限 |
ハイスピードモード | WiMAX2+ | 月間通信量の上限はなし。 |
ハイスピードプラスエリアモード | WiMAX2+ au 4G LTE |
月間通信量が7GBを超えるとハイスピードモード共に月末まで128Kbpsの低速になる。 |
ハイスピードモードは月間通信量の上限はありませんが、両モードでの合計通信量が3日で10GB超えると翌日の18時から次の日の2時頃まで速度制限されます。
ハイスピードプラスエリアモードの方は使用量が7GBを超えるとハイスピードモード共に128kbpsに制限されます。こちらの制限は一時的ではなく月末まで低速になってしまい、遅すぎてまともに使えなくなります。
ハイスピードプラスエリアモードは対応エリアが広いau回線が使えて便利な一方で月7GBまでという制約があるのです。
レンタルではない通常のWiMAXの3年契約の場合は、このハイスピードプラスエリアモードの利用料金が無料で、両モード間の切り替えは何度でもできるため、WiMAXが圏外だったり電波が極端に弱いときだけハイスピードプラスエリアモードにするといった方法で活用できます。
一方、縛りなしWiFiのWiMAX端末ではハイスピードプラスエリアモードは有料になるうえに、一度でも切り替えるとその月の通信量上限が7GBになってしまい、この点はデメリットです。
WiMAX回線のハイスピードモードだけ使っていれば問題はないですが、このことを知らずにモードを切り替えてしまうと損をしますので、WiMAXプランを利用する場合は注意してください。
端末が故障・紛失の場合の費用
レンタルサービスの縛りなしWiFiは端末は借り物なので、利用者の過失で硬い床などに落としたり水没させたりして故障させた場合や、紛失や盗難で無くしてしまった場合には、補償金の39,800円がかかります。
ただ、月額500円で加入できる補償サービス「安心サポートプラン」が用意されており、これを利用した場合は補償金が10,000円になります。
では、端末が自分の所有物になるWiMAXやポケットWiFiはどうかというと、
WiMAXはGMOとくとくBBの場合を例にあげると、利用中に端末が故障した場合の修理費用は5,000円~、端末を交換する場合は19,000円となっています。
端末の保障サービスもあり、月額300円の安心サポートで故障修理が無料、月額500円の安心サポートワイドなら水濡れによる故障の修理も無料となります。
端末を無くした場合は一旦解約してから再契約という形になり、契約更新月以外の解約は契約解除料がかかります。
端末を購入するポケットWiFiの方は、月額500円の保証サービスに加入していた場合以下のようになってます。
・水濡れ・全損⇒5,000円で修理対応か同一機種・指定機種を会員価格で購入
・紛失・盗難⇒同一機種・指定機種を会員価格で購入
端末が自分の物になるサービスでも、故障させたり無くした場合は費用がかかるのは同じです。
しかし、レンタルWiFiの場合は補償金が高く設定されているので、その点は理解して利用しましょう。
まとめ
最後に、WiMAXやポケットWiFiと縛りなしWiFiの主な違いをまとめます。
①契約期間の縛りがないので止めたいときいつでも解約できる
高額な契約解除料がなく端末代がかからないため、1年未満の短期利用でも損をしません。
Y!mobileのPocketWiFiも契約縛りは無いですが端末代がかかります。
②プランによっては費用が安い
縛りなしWiFiのWiMAXプラン以なら通常のWiMAXやPocketWiFiよりも月額料金や総費用が安いです。
WiMAXプランは通常のWiMAXより3年総費用では高いですが、契約期間の縛りが無いことで解約違約金も発生しないため、短期利用の場合はこちらの方が安くなります。
②端末の機種は自分で選択できない
どうしても特定の機種の端末を使いたい考えている人には不向きですが、性能や機能に多少の違いはあっても高速・大容量でインターネットを利用できるのはどれの機種でも同じです。
注意点は、WiMAX端末の場合はハイスピードプラスエリアモードが無料で使えず、一度でも切り替えるとその月の通信量上限が7GBになってしまうことです。
③端末はレンタルのため自分の物にならない
端末を壊したり無くした場合には高額な補償金がかかりますが、補償オプションを付けておけば負担額は少なくできます。
ただ、保証サービスを利用しても1万円の費用が発生するので、端末は借り物であることを忘れずに大切に使っていく必要があります。
以上より、縛りなしWiFiは、端末はレンタルでも構わず、長い契約期間に縛られることなく大容量でインターネットが使えることを優先する人向けのサービスと言えます。
WiMAXやPocketWiFiといったモバイルWiFiサービスがどんなものか試してみたい人にも便利です。
詳しくは公式サイトをチェック⇒縛りなしWiFi