5GHzのWi-Fiモードで速度が変わるか試した

使っているモバイルWi-Fiルーターの「Mobile Wi-Fi E5383s」では、パソコンやスマートフォンなどの端末との接続時のWi-Fiモードとして2.4GHzのほかに5GHzも選択でき、端末と通信をするときの電波の周波数を5GHz帯にすることでできます。

5GHz帯の方が新しい方式で、こちらの方が通信速度が速いそうです。

また、2.4GHzは電子レンジなど様々な電子機器で使用されている周波数のため、それらの機器を使っているときに電波干渉が発生してWi-Fiの通信に影響を及ぼすことがあるのに対して5GHzの方は無線LAN専用で使われている帯域のため干渉を受けにくく通信が安定するというメリットもあります。

一方デメリットとして、5GHzは障害物に弱いため電波が遠くまで届きにくく、Wi-Fiルーターは5Ghzが使えても接続するスマートフォンやパソコンが5GHz通信に対応していないと使うことはできません。
私のスマートフォンは5GHzに対応していましたが、PCの無線LANアダプタは未対応のため使うことができませんでした。

 

モバイルWi-Fiルーターで2.4GHzと5GHzの速度を比較

モバイルWi-Fiルーターの「Mobile Wi-Fi E5383s」のWi-Fiモードで2.4GHzと5GHzの両方で速度測定を行い比較してみました。

使用したのはスマートフォンの通信速度測定アプリSpeedtest.netです。

ルーターをスマホのそばに置いた場合

まずWi-Fiルーターをスマホの真横に置いた状態でルーターの設定画面でWi-Fiモードを2.4GHzにして速度測定してから直後にWi-Fiモードを5GHzに切り替えて速度測定しました。

結果は、2.4GHzのダウンロード速度が12.4Mbps、アップロード速度が10.7Mbpsで、5GHzではダウンロード速度が17.3Mbps、アップロード速度が11.6Mbpsとなっており、確かに5GHzの方が若干ですが早い速度が出ていました。

壁のある離れた場所に置いた場合

その次に、Wi-Fiルーターを居室においてバスルームにスマホを持ち込み、そこで2.4GHzと5GHzの場合で測定しました。

結果は、2.4GHzのダウンロード速度が16.4Mbps、アップロード速度が11.0Mbpsで、5GHzではダウンロード速度が16.8Mbps、アップロード速度が15.8Mbpsとなり、5GHzの方が早い結果で風呂場の壁の影響は受けていないようでした。

狭い部屋のため距離的にあまり離れておらず、壁1つで仕切られた程度では電波への影響は小さいようです。

ルーターと端末との距離がもっと離れて障害物もたくさんあるような場所だったら2.4GHzの方が速度が速いという結果になったかもしれません。

加えて鉄板で遮ってみたら

今度はWi-Fiルーターの脇に薄い鉄板を立てかけた状態で上と同じようにバスルーム内で測定してみました。

すると、2.4GHzのダウンロード速度が15.7Mbps、アップロード速度が16.3Mbpsで、5GHzではダウンロード速度が14.7Mbps、アップロード速度が18.0Mbpsとなり、5GHzの方がダウンロード速度は遅かったですがアップロード速度は速いという結果でした。

やはり薄い鉄板1枚程度ではあまり違いは出ないようです。

 

5Ghzの電波が障害物に弱いといっても、モバイルWi-Fiルーターならスマートフォンやパソコンのすぐそばに置いて使うことができるため、それほどデメリットにならないと思いますが、1台のルーターを広い家で家族で共有して使う場合、部屋と部屋との間に電波に影響する障害物があると影響は出るのかもしれません。

測る順番を逆にしてみた場合

使っているWi-Fiルーターでは、モードを2.4GHzから5GHzへ変更するとDFSチェックというのが実行されそれが終わって5GHzに変わるまでに1分間かかるようになっています。逆の順番だとDFSチェックはないのですぐに変更されます。

このため、2.4GHzで測定してから5GHzで測定するまでにどうしてもタイムラグが発生してしまい、結果を見ても測定時刻に2分の差がでています。

そこで、今度は逆に5GHzで測定してから2.4GHzに切り替えて測定してみました。

Wi-Fiルーターはスマートフォンの真横に置いた状態です。

結果は、5GHzではダウンロード速度が7.69Mbps、アップロード速度が6.23Mbpsdで、2.4GHzのダウンロード速度が8.76Mbps、アップロード速度が19.7Mbpsとなり、その後少し間が開きましたがもう一度5GHzに変えて測定したらダウンロード速度が7.76Mbps、アップロード速度が8.01Mbpsとなり、2.4GHzの方が速いという結果でした。

測定時刻の差は1分に短縮されているため、2.4GHzから5GHzの順で測った時よりは時間帯は近いはずですが、理論上とは逆の結果になった原因はよくわかりません。

秒単位でその時々の回線の混み具合にも影響されるのかもしれません。

まとめ

測定結果を見る限りそれほど大きな違いはなく、体感速度でも違いは感じませんでした。

ただ、理論上は5GHzの方が速度が速いので、高画質動画を見たりオンラインゲームをするときなど、少しでも高速でWi-Fiを使いたい場合はスマホやPCが対応しているなら5GHzモードで使うのも良いのではないでしょうか。

また、WiFiを使う場所に電子レンジなど2.4GHz帯を使っている電子機器があり、そこから出るノイズのせいでWi-Fiの通信に影響が出ている状態の場合は、5GHzの電波を使うメリットはあるでしょう。