WiMAXとソフトバンク回線の速度を比較

WiFiレンタルで提供されていることが多いのがWiMAX回線とソフトバンク回線のモバイルWiFiルーターです。

端末を選ぶときにこの2つ回線のどちらが良いのか迷ってしまう人もいるのではないでしょうか?

どちらも高速・大容量でモバイルインターネットを利用することができますが、使う場所や用途によってはどちらかの方が快適に使えることがあるため、両社の違いや特徴を理解しておくことは重要です。

今回は、WiMAXとソフトバンクの各回線の通信速度を同じ場所、同じ時間帯で測定してみました。

なお、この記事でWiMAXは最新規格のWiMAX2+の回線のことで、ソフトバンクはSoftBank 4G LTEの回線です。

使用した端末と電波状況、測定方法

WiMAXの端末

Speed Wi-Fi NEXT W04

最高速度:下り最大440Mbps 上り最大30Mbps

ソフトバンクの端末

Mobile Wi-Fi E5383s

最高速度:下り最大300Mbps 上り最大50Mbps

測定場所の電波状況

測定したのは地方都市の中心部から離れた郊外の自宅です。

WiMAXとソフトバンクの各端末を部屋の窓際に置いた状態での電波状況は、W04の電波強度アイコンは4本バーのうち0~2本表示で3本以上は表示されることはありませんでした。

WiMAX W04の画面

E5383sは常に4本表示でした。

WiFiルーターE5383sの画面

このことから、測定場所のWiMAXの電波は弱めで、ソフトバンクの電波の方が良く入っている状態です。

測定方法

スマートフォンの速度測定アプリ「SPEEDTEST」を使用しました。

接続先サーバーはTokyoのSpeedtest.netです。

測定した時間帯は、平日の朝8時台と10時台、12時台、15時台、18時台、21時台です。

まず2.4GHzのWiFi接続でWiMAX、ソフトバンクの順に測定し、次に5GHzのWiFi接続でWiMAX、ソフトバンクの速度を測りました。

WiMAXのパフォーマンスモードはノーマルです。

測定結果

2.4GHz接続の結果

時間帯 下り速度(Mbps) 上り速度(Mpbs)
PING(ms)
  WiMAX
ソフトバンク
WiMAX
ソフトバンク
WiMAX
ソフトバンク
8時台 28.5 26.1 1.54 18.5 46 40
10時台 24.2 23.9 1.26 10.1 24 53
12時台 18.0 18.7 0.58 8.95 49 43
15時台 14.9 15.6 1.60 10.2 33 45
18時台 12.0 13.7 1.80 16.6 38 47
21時台 13.5 8.25 1.08 2.92 22 68

下り速度は同じくらいの水準ですが、上り速度はWiMAXは明らかに遅くソフトバンクの方が速いです。これまで使ってきた中でも上り速度はWiMAXは1~2Mbps台でソフトバンクはたいてい10Mbps以上は出ていました。

どちらもダウンロード速度は朝から午前にかけてが早く、午後から夕方以降にかけて速度はやや下がる傾向があるようです。

5GHz接続の結果

時間帯 下り速度(Mbps) 上り速度(Mpbs)
PING(ms)
WiMAX
ソフトバンク
WiMAX
ソフトバンク
WiMAX
ソフトバンク
8時台 38.2 28.1 1.74 12.6 38 49
10時台 29.1 26.7 1.27 13.7 43 49
12時台 23.0 17.8 2.07 12.3 38 45
15時台 18.1 28.3 1.39 18.8 44 41
18時台 11.6 17.8 1.08 7.59 36 49
21時台 11.2 15.7 1.66 8.30 24 47

下り速度は、昼まではWiMAXの方が若干速く、午後以降はソフトバンクの方が少し速い傾向でした。ソフトバンクの方が速度の落ち込みが弱い感じです。

上り速度は、5GHzでもWiMAXは1~2Mbpsしか出ておらず、ソフトバンクは午後までは10Mbps以上出ており夕方以降でも7Mbps以上は出ていました。

街中での測定結果

別の日に外出した時に街中でも速度測定しました。

この時はWiMAX端末の電波アイコンは3~4本で、ソフトバンクは4本でした。

自宅よりはWiMAXの電波が強い状態です。

WiMAXはノーマルモードに加えてハイパフォーマンスモードでも測定しました。

測定したのは平日の12時台です。

12時台 下り速度(Mbps) 上り速度(Mpbs) PING(ms)
WiMAX 2.4GHz

ノーマル

25.4 13.2 39
WiMAX 2.4GHz

ハイパフォーマンス

17.3 8.00 31
ソフトバンク 2.4GHz 34.4 27.0 56
WiMAX 5GHz

ノーマル

9.04 7.69 28
WiMAX 5GHz

ハイパフォーマンス

19.4 8.20 24
ソフトバンク

5GHz

39.0 27.2 48

WiMAXの2.4GHzの結果がノーマルモードよりハイパフォーマンスモードの方が遅いのは一時的にブレた数値が出たものと考えられます。

ダウンロード速度は自宅での12時台の測定結果と比べて速くはなかったですが、何度も測定して平均値を出して比べた方が正確な比較になったと思います。

一方、アップロード速度はだいたい7~8Mbpsくらいは出ており、自宅より速いのが明らかでした。

ソフトバンクは下り・上りともにWiMAXよりもさらに速いという結果でした。電波アイコンのバーが4本表示なのは自宅と同じですが、同じ4本表示でも街中ではさらに電波強度が高いのかもしれません。

まとめ

ダウンロード速度は、自宅では両者に大きな違いは出ていなかったです。WiMAXの電波強度が低いわりにはソフトバンクに負けてなかったのは意外でした。

街中ではソフトバンクの方が速いという結果だったのは、今回測定した場所ではWiMAX以上にソフトバンクの電波強度が強いことが影響していたと考えられますが、どちらが速いかは測定場所や使用端末によって違ってくるでしょう。

アップロード速度では、WiMAXは自宅でも街中でもソフトバンクより遅いのが明らかでした。
電波強度の違いのほか、端末のスペック上の最大上り速度がW04では30Mbpsなのに対してE5383sが50Mbpsということも要因なのかもしれません。

ほとんどの人は上り速度はあまり気にする必要はないですが、頻繁に大きいサイズのファイルをアップロードするような人の場合、WiMAXは普段使う場所の電波が弱いと上り速度が遅くて不満を持つかもしれません。