WX05の実効速度を測定【自宅の場合】

WX05の最高速度は、WiMAX2+回線のハイスピードで下りが440Mbps、上りが30Mbpsとなっています。

しかし、これは製品の性能上これだけの速度が出せるという理論値であり、実際の使用環境ではこれほどの速度は出ません。

下り440Mbpsの速度が出るものと思ってWiMAXを契約すると後でがっかりしますので、理論値ではなく実効速度(一般的な利用環境で出る通信速度)がどの程度かを知っておいた方が良いでしょう。

実効速度は使用する場所の電波強度によって異なり、電波が弱いところだと10Mbpsも出ませんが、電波が強いところなら50Mbps以上出ることもあります。

電波が弱い自宅の場合の速度

自宅ではWiMAXの電波環境はあまり良くありません。端末のディスプレイ上の電波強度アイコンの表示は4本中2~3本表示です。

WX05速度測定時の電波強度

時間帯によって違い、朝から昼にかけては3本表示のになることが多く昼以降になると2本表示が多くなります。

3本表示のときの下り速度は安定して10Mbps以上出ますが、2本表示になると10Mbps割ることもあります。

上り速度はだいたい2~6Mbps程度です。

私の場合はインターネットの用途がWEBサイト閲覧やメール、YouTubeの動画を見る程度なので、これくらいの速度でも十分目的が果たせており、固定回線を持たずにWiMAX回線をスマホとPCの両方で利用しています。

外に持ち出して使うときは、たいていは自宅より電波環境が良く安定して3本表示だったり4本表示になって速度も速くなり、測定したら20Mbps~40Mbpsくらいの速度が出ていたときもありました。

自宅での速度測定

WX05には通信パフォーマンスモードが下記の3種類あり、「おまかせ一括設定」という機能で選択できます。

  • 通信速度を優先(ハイパフォーマンスモード)
  • スタンダード設定(ノーマルモード)
  • バッテリー持ちを優先(エコモード)

WX05をスマートフォンやPCなどを接続するときに使うWi-Fiの周波数は2.4GHzと5GHzのどちらかを選択でき、2.4GHzより5GHzの方が高速です。

また、WX05のクレードルには「Wウイングアンテナ」という拡張アンテナが付いており、これにより通信パフォーマンスが少し向上します。

さらに、WX05の新機能の「WiMAXハイパワー」では、端末からWiMAX2+電波の送信パワーを上げて通信速度を約20%向上させられます。

そこで今回の測定では、通信パフォーマンスモード3種類と周波数2.4GHzと5GHz、クレードルの有無、WiMAXハイパワーのオン/オフで実測値に違いが出るかを調べました。

測定条件

測定日は11月25日(日)です。

時間帯は午後3時~4時半頃です。

このときの電波強度バーは主に2本表示で、たまに3本になったり1本になったりするという状況でした。

測定にはAndroidアプリのSpeed.netを使用しました。

測定方法

まずWiFi周波数を2.4GHzに設定し、「おまかせ一括設定」でエコモード、ノーマルモード、ハイパフォーマンスモードの順に切り替えて測定しました。各モードで3回ずつ測り、その平均値を出しました。

次に周波数を5GHzに変更してから、2.4GHzのときと同じように3種類のパフォーマンスモードで切り替えて3回ずつ測り、平均値を出しました。

この後にWX05をクレードルに取り付けてクレードル無しの場合と同様に各周波数で3モードごとに測定しました。

その次にWiMAXハイパワーをオフにした状態とオンにした状態でも同じ様にして速度を測りました。

測定結果

以下がWX05本体のみの場合とクレードルを使った場合の結果です。

本体のみの場合

クレードルを使わずにWX05本体のみで測定した結果です。

下り速度(Mbps) 上り速度(Mbps) PING(ms)
2.4GHz
エコ 7.26 3.61 41.33
ノーマル 4.79 3.16 50.67
ハイパフォーマンス 9.49 3.80 52.00
5GHz
エコ 8.25 4.47 36.00
ノーマル 9.37 4.56 38.33
ハイパフォーマンス 10.97 5.86 37.00

2.4GHzのノーマルモードを除けば、ほぼ理論の通りで、ハイパフォーマンス>ノーマル>エコの順で速度は速くなり、2.4GHzより5GHzの方が速いという結果になりました。

2.4GHzのノーマルモードがエコモードより遅い結果だったのは、測定中に電波状況が変わり一時的に電波が弱くなっていたためと考えられます。

クレードルを使った場合

WX05をクレードルに置いて測定した結果です。

下り速度(Mbps) 上り速度(Mbps) PING(ms)
2.4GHz
エコ 4.81 4.14 43.33
ノーマル 6.47 5.38 44.33
ハイパフォーマンス 12.27 5.71 38.67
5GHz
エコ 12.50 5.16 44.67
ノーマル 10.56 5.58 39.67
ハイパフォーマンス 9.92 5.52 38.67

2.4GHzの方の速度は理論上の通りの順となりましたが、5GHz の方の下り速度は理論とは逆の順になりました。

3つのモードで速度に違いはあるとしても、その差は大きくないため測定時の電波強度によっては、エコモードの方がハイパフォーマンスモードの時より高い数値になることがあるのかもしれません。

電波強度が同じ状態で測定した平均値をとれば、ハイパフォーマンス>ノーマル>エコの順になるはずです。

本体のみの場合とクレードル有りの場合で比べると、全体的に見ればクレードル有りの時の方が速くなっていることがわかります。ただ、その違いはわずかなので体感速度はほとんど変わらないです。

WiMAXハイパワーのオフとオン

WiMAXハイパワーをオフにした状態とオンにした状態の測定結果です。

下り速度(Mbps) 上り速度(Mbps) PING(ms)
2.4GHz
オフ 8.60 5.42 36.00
オン 13.23 6.08 39.33
5GHz
オフ 14.23 6.44 40.67
オン 15.77 6.64 34.67

下り・上りともにWiMAXハイパワーをオンにした時の方がわずかですが速くなっていました。

クレードル有りの時のWiMAXハイパワーのオフとオン

WX05をクレードルに置いた状態でWiMAXハイパワーの設定を切り替えて測定した結果です。

下り速度(Mbps) 上り速度(Mbps) PING(ms)
2.4GHz
オフ 16.13 6.68 39.00
オン 13.37 5.67 42.67
5GHz
オフ 11.80 5.60 40.33
オン 13.43 6.37 35.67

2.4GHzのときはオンにした時の方が速度は遅くなっていましたが、5GHzのときはオンにした時の方が速くなっていました。

クレードル無しのときの5GHzの結果も高めの数値となっていますが、この時は電波強度バーが3本表示になっていたため一時的に電波が強くなっていたことが要因と考えられます。

WiMAXハイパワーによる20%程度の通信パフォーマンス向上よりも、電波強度が上がった方が速度は上がるようです。

まとめ

本来は電波強度バーが常に2本表示なら良いのですが、測定中に電波強度が変化し一時的に3本表示になったり1本表示になったときもあったため、理論上とは違った結果になった部分もありました。

しかし、全体的に見ると、通信パフォーマンスモードの速い順の通りとなり、2.4GHzより5GHz、クレードル無しより有り、WiMAXハイパワーがオフよりオンの方が速度は少し上がることが確認できました。

そして、これらの設定の違い以上に、電波強度が速度には大きく影響することを実感しました。

結局のところ、速い速度が出るかどうかは使用場所のWiMAXの電波が強いかどうかにより、電波強度バーが常に4本表示の場所で使えるなら満足度は高いと思います。