これから実家を出て一人暮らし始めるにあたり、部屋で使うインターネット回線をどうするか悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
家で長時間ネットを利用する人もいれば、外出が多くてそれほど利用しない人もいるでしょう。
通信速度が重要になるオンラインゲームを楽しみたい人や大画面で高画質動画を見たい人がいる一方で、ゲームはやらず動画は標準画質のもので構わないという人もいるはずです。
インターネット回線は、普段の利用時間や主な用途によって最適なものは違ってくるため、どれが良いかは人それぞれです。
今回は、これから一人暮らしを始める人のネット回線選びについて解説します。
自宅用に使えるインターネット回線は、有線通信の固定回線と無線通信のモバイル回線の2つがあ
固定回線は光回線
固定回線は、光ファイバーケーブル網を使う「光回線」が現在の主流です。
光回線が普及する以前は「ADSL」という方式の回線が利用されていましたが、こちらはサービスを終了する予定なので、固定回線といえば光回線と捉えて問題ありません。
光回線はモバイル回線に比べて、通信速度が速く、容量無制限で使えるといった2つのメリットがある一方で回線工事が必要な場合もあるのがデメリットです。
仮に工事が必要なケースでも、光回線を契約する時に高額なキャッシュバック特典が付くところなら、これで工事費をまかなって実質的に無料にできます。
ただ、工事が必要な場合は申し込んでから光回線が開通するまでは少し期間がかかります。
とはいえ、高速通信が必要になるオンラインゲームを楽しみたい場合やデータ量が大きくなる4K画質などの超高画質動画を長時間観たい場合、何ギガもある大きいサイズのデータを頻繁にダウンロード・アップロードする用途で使いたいなら、最初に少し我慢して光回線を用意した方が良いです。
光回線はスマホの契約先がポイント
最近、〇〇光というサービス名をよく目にするのではないでしょうか?
以前は光回線といえばNTTが提供する「フレッツ光」でしたが、近年はフレッツ光に各業者が独自のサービスを組み合わせて光回線を販売する「光コラボレーション(光コラボ)」と呼ばれるサービスが増えています。
有名どころだと、ドコモ光、SoftBank光、楽天ひかり、OCN光、ビッグローブ光などが光コラボです。
フレッツ光と光コラボの他には、KDDIが独自の光ファイバー網で提供する「auひかり」やソニーネットワークコミュニケーションズがNTTの光回線を借りて受けて提供する「NURO光」といった光回線もあります。NURO光は高速なのが売りですが対応エリアは限られています。
光コラボ各社とauひかり、NURO光のどれを選ぶかは、契約しているスマホのキャリアがどこかがポイントになります。
なぜなら、スマホの契約先の会社が提供する光回線を利用すれば毎月のスマホの料金が割引されるからです。
このセット割のためスマホが、
docomoならドコモ光
auならauひかり
SoftBankならSoftBank光
がお得になります。
このほかにビッグローブ光はau、NURO光はSoftBankとのセット割が用意されているためこちらもチェックしておきましょう。
モバイル回線は手軽さが魅力
ネットの主な用途はWEBサイトを見たりメールやSNSの利用が中心という人なら固定回線を引かずにモバイルインターネット回線で済ます方法もあります。
モバイル回線は持ち運び可能なコンパクトなルーターにスマホやタブレット、PCをWi-Fiなどで接続してインターネットを利用します。
工事不要で端末が自宅に届いたその日から利用でき、外出先でも使えるためスマホのSIMは容量が小さいプランにすることができます。
近いうちに引っ越す予定なので、わざわざ光回線を引くのは避けたいという場合にも役立ちます。
モバイルインターネット回線の場合、バッテリー駆動のモバイル端末のほか電源ケーブルをコンセントに差し込んで使う「ホームルーター」というのもあり、これなら充電の手間が省けるため外ではスマホのSIMのデータ容量で十分なので自宅専用で使いたいという場合ならホームルーターを選択するのもありでしょう。
モバイル回線のメリットは工事不要ですぐに使い始められることやモバイル端末なら外に持ち出して使える点、料金を光回線より安くできる点ですが、デメリットは速度や使える容量は光回線に及ばない点です。
速度は光回線ほどではないにしても、WEBサイトを見たりSNSを利用するくらいなら十分ですし、動画については経験上フルHD(1980×1080P)画質までなら途中で止まることなく見ることができました。
ただ、動画の長時間視聴はデータ通信量も多くなるため、容量に制限があるサービスでは注意が必要です。
モバイル回線の場合、容量無制限としている場合でも速度制限条件を設けているところが多いため、光回線のような使い放題の容量無制限ではない点は理解して利用しましょう。
モバイルインターネットの代表格がWiMAX
モバイルインターネットサービスで最も有名なのが「WiMAX(ワイマックス)」です。名前は聞いたことがあるのではないでしょうか?
WiMAXは、KDDIのグループ企業であるUQコミュニケーションズが管理・運営するWiMAX2+回線を使います。
2018年時点で回線契約者数が3千万人を超えており、多くの人に利用されていることも安心ポイントです。
WiMAXは月間の通信容量の上限はありませんが、3日間の使用量10GB超えると翌日の18時から次の日の2時頃まで最大1Mbpsに制限されます。
この条件だと月当たり100GB近くは高速のまま使えることになります。
それに制限される時間帯は翌日の夜だけですし、制限後の速度は概ね1Mbps程度は出るためWEBサイトを見たりYoutubeで標準画質の動画を見るといった軽い用途では十分使い続けられます。
WiMAXは様々なプロバイダーから販売されており、契約期間や月額料金、支払い方法などで違いがあります。
各プロバイダーを比較して自分の条件に合ったところを選んでください。

もし支払い方法が口座振替しかできないなら選択肢は少ないため迷うことは少ないと思います。
ホームルーターはWiMAXとSoftBankAir
携帯できるモバイルルーターではなくコンセントに差して使うホームルーターが使えるモバイルインターネットサービスは、WiMAXのほかにソフトバンクが提供しているSoftBankAir(ソフトバンクエア)というサービスがあります。
SoftBankAirも容量無制限となっていますが、いくつか制限条件はあり、夜間など利用の集中する時間帯や動画閲覧などのときに制限される場合があるとされています。
WiMAXのように3日で10GB以上使うと翌日の夜間だけ最大1Mbpsに制限といった使用量に応じた制限ではなく、時間帯や用途による制限条件になっています。
自分にとっては、どちらの制限の方を受け入れられるかで利用先は決まるでしょう。
SoftBankAirの魅力はソフトバンクのスマホの利用者はセット割の対象になることなので、スマホがSoftBankなら自宅回線にSoftBankAirを選ぶのもありでしょう。
WiMAXはauのスマホのセット割の対象になっています。
WiMAXでもSoftBankAirでも自分が満足できる速度が出るかは自宅のある場所の電波の強さにもよるため、こればかりは使ってみないことにはわかりません。
どちらも初期契約解除制度が用意されており、端末を受け取ってから8日以内なら契約解除料無しで解約できるため、この期間のうちに試してみてから継続するかを判断できます。
WiMAX以外のモバイルWiFiサービス
上で書いたようにWiMAXはモバイルインターネットサービスで最もメジャーな存在で人気も高いためWiMAXを選ぶのが無難ですが、使用場所よっては別のサービスを選んだ方が満足度が高い場合もあります。
WiMAXの対応エリアは全国に広まっていますが、携帯3キャリアの4G LTE回線のエリアほどではありません。
まだ一部の地下鉄や地下街、山間地などでは圏外になり使えない場所があります。
また、家の周囲に電波を遮る建物がある場合などでWiMAXの電波が届きにくいと十分な速度が出ず不満を持つかもしれません。
自宅がこうした場所でなければ問題はないですが、もしWiMAXの電波が入りにくいか全く届かない場所に住んでいるなら、SoftBank回線を使用するモバイルWiFiサービスの方が良いです。
SoftBankの4G LTE回線の方が基地局が多いため使えるエリアは広く、LTEの電波の方が障害物に強いため建物の奥の方でも比較的届きやすいからです。
といっても、初めて自宅のネット回線を用意するのにWiMAXの電波が十分入るかどうかなどわからないでしょうから、上で書いたホームルーター同様にまずWiMAXを使ってみて、どうしても不満だったら8日以内に初期契約解除をしてSoftBank回線のモバイルWiFiサービスにするのが良いかと思います。
既にWiMAXの電波が入りにくいことがわかっていたり、WiMAXの3日で10GBの速度制限条件では使いにくいという場合は、初めからSoftBank回線のモバイルWiFiサービスを利用すると良いでしょう。
以下にSoftBankの4G LTE回線が使えるサービスを紹介します。
縛りなしWiFi
WiMAXは長期の契約期間があるのに対して、契約期間の縛りを無くしたWiFiサービスが「縛りなしWiFi」です。
契約は1か月単位で、1か月使用後はいつでも解約ができ、解約金もありません。
そのうえ月額料金は3,300円なのでけっこう安いです。
さらに、もっと料金を安くすることができるのが「縛っちゃうプラン」というのもあります。
契約期間の縛りが無い「縛りなしプラン」の通常プランは月額3,300円ですが、「縛っちゃうプラン」は1年縛りはでは月額3,000円、3年縛りなら月額2,800円となっており、契約期間を設定する代わりに料金を安くしているのです。
これなら3年間使用したときの総費用はWiMAXと比べて大幅に安くできます。
速度制限の条件は使用量が1日2GB超えると当日一時的に制限されます。
私は縛りなしプランの方で601HWを使ったことがありますが、サクサク操作できて使いやすい端末でしたし、ソフトバンク回線は電波が十分に入る場所が多くて速度も十分満足できるものでした。
回線がSoftBankの4G LTEのためWiMAXより対応エリアが広いことも魅力。
地下鉄・地下街や山間地で使うことが多いなら携帯キャリアのLTE回線の方が良いです。
一方で縛っちゃうプランには注意点もあり、1年縛りのプランは更新月以外に解約すると契約解除料5,000円かかり、3年縛りのプランは以下の様に利用期間に応じて契約解除料が発生します。
12~35ヶ月:25,000円
37ヶ月目以降:9,500円
更新月:0円
このため、縛っちゃうプランは総費用は安くできますが、もし中途解約した場合はかえって高くつく場合があるため注意が必要です。

まとめ
オンラインゲームなど通信速度が重要な用途で使う場合や大きいサイズのファイルを頻繁にダウンロード・アップロードする用途で使いたいなら光回線が最適です。
それ以外の軽い用途がメインならモバイルインターネット回線も利用価値が高いです
モバイル回線では、ほとんどの人におすすめできるのがWiMAX。
モバイルインターネットサービスとして長い実績があり利用者も多くて概ね評判も良いからです。
ただ、住所がWiMAXの対応エリアになっていても家の周辺に高い建物があるなど場所によっては電波が入りにくくて不満を持つ場合があるかもしれません。
そんな場合でも初期契約解除制度があるから安心です。端末受け取り後8日以内なら契約事務手数料の3000円は負担しますが解約金は無しで解約できます。
徹底的に通信費を節約したい人は縛りなしWiFiの3年縛っちゃうプラン。
1日2GBまでなら速度制限なく使えるので月当たりだと60GBは使えることになります。
月額2,800円でこの通信量を使えるならコストパフォーマンスはまあまあだと思います。
その代わり、3年未満で中途解約すると解約金に加えて端末代の残り分を支払うことになって高くつくため、3年間は確実に使い続けられる人にお勧めです。
3年使えるかわからないなら月額料金は少し高くなりますが1年縛りのプランもあります。
また、縛りなしプランで試してみてから縛っちゃうプランに変更することもできます。
公式サイトはこちら⇒縛りなしWiFi