WiMAX(ワイマックス)のホームルーターは以前からありましたが、2023年の1月に楽天モバイルから「Rakuten Turbo(楽天ターボ)」というホームルーターのサービスが新登場しました。
どちらも通信容量無制限で5G回線にも対応しているため、固定回線の代わりに自宅で利用したいと考えている人もいるのではないでしょうか。
今回は、楽天ターボとWiMAXのホームルーターを比較するので、サービス内容の違いを理解して自分に最適な方を選んでください。
使用回線と対応エリアの違い
使用する回線は次のようになっています。
サービス名 | 楽天ターボ | WiMAX |
運営元 | 楽天モバイル | UQコミュニケーションズ |
使用回線 | 楽天回線 4G LTE 5G Sub6 |
WiMAX2+ au 4G LTE au 5G Sub6 |
楽天ターボの使用回線
楽天ターボは、楽天モバイルの独自回線の4G LTEや5G Sub6でインターネットに接続するサービスです。
楽天モバイルの4G回線は人口カバー率98%に達していますが、山間部などでは未対応のエリアもあるため、自宅が楽天回線の対応エリア内か知らない場合は公式サイトでエリア確認をしてください。
Rakuten Turbo(公式サイト)
WiMAXの使用回線とプロバイダー
WiMAXの正式なサービス名は「WiMAX+5G」となっており、独自回線のWiMAX2+のほかauの4Gや5Gの回線も使って通信します。
auの回線を使うのは運営元のUQモバイルコミュニケーションズはKDDIグループの会社だからです。
auの4G LTEにも対応しているため全国の広いエリアで利用でき、5G回線エリアなら5Gでの高速通信が可能です。
なお、WiMAXはUQコミュニケーションズが提供する「UQ WiMAX」以外に様々なプロバイダーから「〇〇 WiMAX」という名称で提供されていますが、サービス名が違うだけで使用回線や端末は同じで通信速度や品質も変わりません。違っているのは各社で独自に設定している料金やキャンペーン特典の部分です。
UQコミュニケーションズ以外のプロバイダーのWiMAXの方が料金が安く特典内容が充実している傾向があり、この記事は「BIGLOBE WiMAX」を取り上げます。
UQ WiMAXとBIGLOBE WiMAXの月額料金とキャンペーン特典は次のようになっています。
UQ WiMAX | BIGLOBE WiMAX | |
月額料金 | 4,950円 | 4,928円 |
キャンペーン特典 | ①月額料金割引 682円×13か月 ②端末代割引 20,988円分 |
①月額料金割引 1,650円×24か月 ②キャッシュバック 11,500円 |
月額料金はBIGLOBEの方が少し安く、キャンペーン特典でお得になる総額は、UQは29,854円、BIGLOBEは51,100円でBIGLOBEの方が多いです。
BIGLOBE WiMAXのプロバイダ―「BIGLOBE」は通信事業で35年以上の実績があり、運営元のビッグローブ(株)はUQコミュニケーションズと同じくKDDIグループの会社です。
WiMAXのモードについて
WiMAXの端末はスタンダードモードとプラスエリアモードの2モードで切り替えができ、スタンダードモードは容量無制限ですが、プラスエリアモードは通信量が月間30GBを超えると速度が最大128kbpsに制限されます。
128kbpsだと遅すぎて使い物にならないため、プラスエリアモードで使えるのは実質月間30GBまでといえます。
スタンダードモード | プラスエリアモード | |
高速で使える通信容量 | 無制限 | 月間30GBまで |
au 4G LTE 800MHz帯 | 非対応 | 対応 |
追加料金 | ― | 月額1,100円 |
スタンダードモードでは、au 4G LTE回線のプラチナバンドと呼ばれる800MHz帯の周波数に対応していませんが、プラスエリアモードはこれに対応しているのが違いです。
プラチナバンドの電波は広い範囲に届くため、プラスエリアモードにすることでスタンダードモードよりも広いエリアで利用できます。
スタンダードモードのWiMAX2+やau 4G LTEの電波が届いてない場所でも利用できるようにプラチナバンドに対応したプラスエリアモードがあるのです。
しかし、プラスエリアモードは実質月間30GBまでしか使えないうえに、このモードを使用した月は1,100円の利用料が発生するというデメリットもあります。
外に持ち出してあちこちで使う機会があるモバイルルーターと違いホームルーターは基本的に家に据え置きして使うため、モードの切り替えはせずにスタンダードモードに設定したまま利用すれば問題ありません。
ただ、山間部などでauのプラチナバンドの電波しか入らない場所に住んでいる人は注意してください。
各モードごとの対応エリアはプロバイダーのサイトで確認できます ⇒ BIGLOBE WiMAX +5G
利用できる場所について
楽天ターボは、申し込み時に登録した設置先住所でしか利用できません。
引っ越した場合は忘れずに住所変更の手続きをする必要があります。
WiMAXのホームルーターは登録住所以外でも使えるため、旅行先や帰省先などに持っていって使うことも可能です。
ただ、その場所がau 4G LTEのプラチナバンドの電波しか入らない場合はプラスエリアモードしか利用できないので、スタンダードモードの対応エリアかどうかは事前にエリアマップで確認しておきましょう。
契約期間と解約金
楽天ターボとWiMAXのどちらも解約違約金や契約解除料といった料金はありません。
契約期間に縛られることなく、いつでも無料で解約できます。
料金の違い
ここでは契約時の事務手数料と月額料金、支払い方法を比較します。
サービス名 | 楽天ターボ | WiMAX BIGLOBE |
契約事務 手数料 |
3,300円 | |
月額料金 | 1~6か月目 0円 13か月目以降 4,840円 |
初月 0円 1~24か月目 3,278円 25か月目以降 4,928円 |
支払い方法 | クレジットカード 口座振替 |
クレジットカード 口座振替 |
契約時の事務手数料はどちらも3,300円です。
楽天ターボは半年間、BIGLOBE WiMAXは2年間は割引料金です。
楽天ターボの6か月間0円を除けば、2年間の月額料金はBIGLOBEWiMAXが安いです。
3年目以降の月額料金は楽天ターボの方が安いです。
楽天ターボはクレジットカード払いなら料金支払いに楽天ポイントを充当できます。
通常ポイントのほか期間限定ポイントや楽天キャッシュも使用可能です。
口座振替の手数料は、楽天ターボでは110円で、BIGLOBE WiMAXでは220円となっています。
ただしBIGLOBE WiMAXは、auやUQモバイルのスマホなどKDDIのサービスとまとめて支払う場合は口座振替手数料が無料です。
7か月目以降は月額4,400円(税別)なので毎月44ポイントになり、2年目以降は年間528ポイントが貯まります。
ホームルーターの価格の違い
次に、ホームルーターの価格を比較します。
サービス名 | 楽天ターボ | WiMAX |
機種名 | Rakuten Turbo 5G | Speed Wi-Fi HOME 5G L13 |
価格 | 41,580円 | 27,720円 |
端末価格は楽天ターボの方が高いです。
楽天ターボの端末代
Rakuten Turbo 5Gの価格は41,580円です。
一括払いのほか24回(1,732円×24回)か48回(866円×48回)の分割払いもできますが、48回の分割払いができるのは楽天カードのみです。
楽天ターボの端末代は8日間の返金制度があるため、まずは使ってみて自宅に十分に電波が届いているか確認してから継続するかを判断できます。
WiMAXの端末代
Speed Wi-Fi HOME 5G L13の価格は27,720円です。
BIGLOBE WiMAXの端末代はクレジットカード払いでは24回か36回の分割払いです。
口座振替を選択した場合の端末代は代金引換での一括支払いになり、端末の受け取り時に代金引換手数料440円がかかります。
キャンペーン特典・セット割の違い
続いてキャンペーン特典やスマホのセット割を比較します。
サービス名 | 楽天ターボ | BIGLOBE WiMAX |
特典 | ①20,000ポイントプレゼント②SPUでポイントが+2倍になる | キャッシュバック 11,500円 |
スマホのセット割 | ー | auスマートバリュー UQmobile自宅セット割 |
楽天ターボのキャンペーン特典
①申し込みで20,000ポイント
スマホでRakuten最強プランを契約している人には楽天ポイントが20,000ポイントプレゼントされます。
なお、この特典を受けるには申し込みの前にキャンペーンページでエントリーボタンを押し、同月内に申し込みをする必要があるので注意してください。
楽天モバイルを契約してない人の場合は、楽天ターボの申し込み月に楽天市場の下記の対象ジャンルで1円以上の買い物をすると20,000ポイントが還元されます。
買い物で20,000ポイントの特典を受けるには楽天ターボの申し込み月の末日までにキャンペーンページでエントリーしておく必要があるため忘れないようにしてください。
公式サイトでエントリーボタンを確認する⇒Rakuten Turbo
楽天モバイルのユーザーが楽天ターボの申し込み月に1円以上の買い物をした場合、買い物還元特典の方が適用されます。
どちらも受け取り時期はRakuten Turboの利用開始月の翌々月の末日頃で、ポイントの有効期限は進呈日を含めて6か月間です。
②SPUで買い物ポイントが+2倍
楽天ターボはSPUの対象なので楽天市場での買い物のときに楽天ポイントが+2倍になります。
+2倍で増えたポイントの獲得上限は1,000ポイントまでなので、月間で50,000円までの買い物が最もお得になります。
WiMAXのキャンペーン特典
BIGLOBEのWiMAXは、現時点ではキャンペーン特典で11,500円のキャッシュバックがあり、申し込み時に特典のクーポンコードを入力する必要があります。
クーポンコードはこちらに載っています ⇒ BIGLOBE WiMAX +5G
受け取り時期については、利用開始月の翌月1日に届く特典の案内メールに従って受け取り口座の登録をすると数日後に振り込まれます。手続き期間は45日なので注意しましょう。
WiMAXのスマホセット割
WiMAXはauやUQモバイルのスマホとのセット割に対応しており、これを適用させるとスマホの月額料金がプランに応じて550円~1,100円割引されます。
WiMAXの契約者本人だけでなく家族も含めて最大10回線まで割引対象になるため、スマホのSIMの契約先を同じところに揃えている家庭ほどお得になります。
auスマートバリューは、現在も受付中のプランでは、使い放題MAXが1,100円割引、スマホミニプランが550円割引です。
UQmobile自宅セット割は、くりこしプラン+5GのS/Mが638円割引、Lが858円割引、ミニミニプランとトクトクプランは1,100円割引です。
端末のスペックと通信速度の違い
ここでは端末のスペックと通信速度を比較します。
端末のスペック比較
使用する端末は、楽天ターボは「Rakuten Turbo 5G」、WiMAXは「Speed Wi-Fi HOME 5G L13」です。
主なスペックは以下のようになっています。
機種名 | Rakuten Turbo 5G | Speed Wi-Fi HOME 5G L13 |
メーカー | Sercomm Corporation | ZTE |
発売日 | 2023年1月26日 | 2023年6月1日 |
サイズ (高さ×幅×奥行) |
約148×110×110mm | 約207×100×100mm |
重量 | 約774g | 約635g |
対応周波数帯 |
5G |
5G Band n28 (700MHz) Band n3 (1.7GHz) Band n41 (2.5GHz) Band n78 (3.5Hz) Band n77 (4.0GHz) Band n78 (3.7GHz) 4G LTE Band 18 (800MHz) Band 3 (1.7GHz) Band 1 (2.0GHz) Band 41 (2.5GHz) |
最大通信速度 | 5G 下り 2.1Gbps 上り 218Mbps |
下り 4.2Gbps 上り 286Mbps |
4G LTE 下り 391Mbps 上り 76Mbps |
||
有線LAN規格 | 1000BASE-T 100BASE-T 10BASE-T |
2.5GBASE-T 1000BASE-T 100BASE-TX |
LANポート数 | 2個 | 2個 |
無線LAN規格 (Wi-Fi) |
IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz・5GHz) |
|
最大接続台数 | 128台 (WiFi:126台/LAN:2台) |
34台 (Wi-Fi:32台/LAN:2台) |
両機種とも2023年に発売された製品です。
サイズは、Rakuten Turbo 5Gの方が幅や奥行きが1cm長く、高さは6cmほど低いです。
対応している電波の周波数帯(バンド)の数はL13の方が明らかに多いです。
最大通信速度については、L13は下りが4.2GbpsとなっておりRakuten Turbo 5Gの2倍です。
Rakuten Turbo 5GのLANポートは、最大速度が1Gbpsの1000BASE-Tまでしか対応していないのに対して、L13のLANポート2個のうち1個は最大速度が2.5Gbpsの2.5GBASE-Tに対応しているため、LANケーブルでPCと接続して使いたい人は要注目です。
最大接続台数はRakuten Turbo 5Gの方がかなり多いです。
個人ではWi-Fiで126台も接続することは少ないと思いますが、法人用途や何かのイベント用には良さそうです。
楽天ターボとWiMAXの速度比較
使用時に実際に出ている速度はどれくらいなのかは、「みんなのネット回線速度」という速度測定サイトが参考になります。
それにによると、各サービスの平均速度とPing値は以下のようになっていました。
楽天ターボ Rakuten Turbo 5G |
WiMAX Speed Wi-Fi HOME 5G L13 |
|
ダウンロード速度※ | 91.79Mbps | 158.64Mbps |
アップロード速度※ | 38.75Mbps | 25.48Mbps |
Ping値※ | 53.74ms | 43.77ms |
(※引用元:みんなのネット回線速度 直近3カ月間の平均値)
下り速度はWiMAXの方が速く100Mbps以上の数値が出ており、端末の速度性能の違いが実測値にも現れているのがわかります。
上り速度は楽天ターボの方がやや速いです。
楽天ターボはホームルーターの中ではアップロード速度の数値が比較的高い傾向があるので、少しでも上り速度が速い方が良い人にはメリットになります。
なお、上記の結果はあくまで平均値であり、使用場所の電波環境によってはもっと低い数値になる場合があることは理解しておいてください。
1年~3年間利用した場合の総費用を比較
ここでは申し込み特典を踏まえたうえで、1年、2年、3年利用した場合の実質的な総費用を比較します。
楽天ターボ | BIGLOBE WiMAX | |
契約事務手数料 | 3,300円 | |
端末代 | 41,580円 | 27,720円 |
月額料金 | 6か月目まで 0円 13か月目以降 4,840円 |
初月 0円 1~24か月目 3,278円 25か月目以降 4,928円 |
月額料金1年分 | 29,040円 | 39,336円 |
月額料金2年分 | 87,120円 | 78,672円 |
月額料金3年分 | 145,200円 | 137,808円 |
申し込み特典 | プレゼント 20,000ポイント |
キャッシュバック 11,500円 |
1年総費用 | 53,920円 | 59,056円 |
2年総費用 | 122,000円 | 98,192円 |
3年総費用 | 170,080円 | 157,328円 |
総費用は、1年利用では楽天ターボ、2年や3年利用ではBIGLOBE WiMAXの方が少ないです。
端末代は楽天ターボの方が高いですが、楽天ターボは月額料金が6か月間は無料になり、申し込み特典が多いことが影響しています。
2年や3年利用では、BIGLOBE WiMAXは2年間の月額料金割引があること影響し、総費用はこちらの方少なくなります。
支払い方法が口座振替の場合は、口座振替の毎月の手数料は楽天ターボは110円、BIGLBOE WiMAXは220円ですが、BIGLBOEはKDDIのサービスの料金とまとめて支払うと無料になります。
BIGLOBE WiMAXは口座振替の場合は端末受け取り時に440円の代引き手数料がかかります。
口座振替の手数料を加算した場合でも総費用が少ないのは1年利用では楽天ターボ、2年や3年利用ではBIGLOBE WiMAXです。
まとめ
最後に両サービスのメリットとデメリットをまとめます。
楽天ターボ | WiMAX |
|
メリット | ①6か月間は月額料金が0円
②20,000ポイントがもらえる ③SPUで楽天ポイント+2倍 ④上り速度が少し速い ⑤端末代8日間返金制度で試せる |
①auやUQモバイルのスマホのセット割がある
②キャッシュバック特典がある ③下り速度が速い ④端末のLANポートが2.5GBASE-T対応 ⑤登録住所以外でも使える |
デメリット | ①端末代が高く割引が無い
②登録住所以外では使えない |
①プラスエリアモードが有料で実質月間30GBまで
②au・UQモバイルユーザー以外は口座振替の手数料が220円 |
以上より、楽天ターボとWiMAXのどちらが向いているかは以下のようになります。
楽天ターボが向いている人
- 楽天回線エリア内に住んでいる
- 楽天市場で高額な買い物をよくする
- 自宅以外では使わない
- 上り速度が少しでも速い方が良い
公式サイトはこちら ⇒ Rakuten Turbo
WiMAXが向いている人
- 自分や家族がauかUQモバイルのスマホを使っている
- 下り速度が速いホームルーターを使いたい
- PCと2.5GBASE-TのLAN接続をして使いたい
- 自宅以外の場所でも使いたい
公式サイトはこちら ⇒ BIGLOBE WiMAX +5G
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