モバイルWiFiサービスの代表格といえるのがUQコミュニケーションズが提供するWiMAX(ワイマックス)です。
一方、2020年の4月から第4の携帯キャリアとして参入した楽天モバイルは、WiMAXより月額料金が安く端末は低価格で買えるため、費用の安さを重視する人に魅力のあるサービスです。
楽天モバイルはWiMAXと同じく通信容量は無制限で、楽天モバイルのスマホのテザリング機能のほかモバイルルーターを使って家のネット回線として利用することもできます。
WiMAXはデータ通信専用のサービスですが、楽天モバイルは携帯キャリアのため通話も可能で、アプリのRakuten Linkから発信すれば通話料は無料になるというメリットもあります。電話をかけることが多い人には特にお得です。
この記事では、WiMAXと楽天モバイルを比較して違いをまとめるので参考にしてください。
WiMAXは複数あるプロバイダーの中から選ぶことになりますが、ここではGMOとくとくBBのWiMAXを比較対象とします。こちらはキャッシュバック特典を含めた3年総費用で安いプロバイダーだからです。
使えるエリアと通信容量(ギガ数)
WiMAXと楽天モバイルの対応エリアと月間で使える通信容量(ギガ数)は下記のようになっています。
WiMAX+5G | 楽天モバイル | |
使用回線 | スタンダードモード WiMAX2+ au 4G LTE・5G |
楽天回線 4G LTE・5G au 4G LTE |
プラスエリアモード WiMAX2+ au 4G LTE・5G (プラチナバンド対応) |
||
月間通信容量 | スタンダードモード:無制限 プラスエリアモード:30GB |
無制限 |
WiMAXの対応エリアと使える月間容量
WiMAXはこれまで「WiMAX2+」というサービスでしたが、2021年の4月から「WiMAX+5G」という新サービスが開始されました。
WiMAX+5Gでは、WiMAXの独自回線「WiMAX2+」に加えて、auの4G LTEや5Gの回線も利用できるようになっています。
WiMAX2+回線は、主要都市の人口カバー率が99%以上になっていますが、山間部などでは未対応のエリアがあったり、一部の地下や建物の奥の方では電波が届きにくい場所もあります。こうした場所にも対応できるようにauの回線も使えるようにしているのです。
WiMAX+5Gの通信モードはスタンダードモードとプラスエリアモードの2つがあります。
スタンダードモードの通信は容量無制限です。
ただ、スタンダードモードではカバーエリアが広いプラチナバンドと呼ばれる周波数が800MHz帯の4G LTE回線に対応していません。
このため、山間部などでスタンダードモードの回線が圏外になる場所ではプラチナバンドで広いエリアをカバーできるプラスエリアモードが役立ちますが、プラスエリアモードは月間30GB以上使うと速度が最大128kbpsに制限されるため、実質的に使えるのは月間30GBまでです。
また、プラスエリアモードは有料で、このモードを使った月は月額料金とは別に利用料の1,100円が発生する点にも注意が必要です。
スタンダードモードだけでも全国のほとんどのエリアをカバーしているので、追加費用をかけたくなければ、スタンダードモードにしたまま使うのが良いでしょう。
楽天モバイルの対応エリアと月間容量
楽天モバイルで使用する回線は、楽天が設置した基地局の電波を利用する「楽天回線エリア(4G LTE・5G)」とauの基地局の電波を利用する「パートナー回線エリア(4G LTE)」の2つがあります。
サービス開始後3年が経ち楽天回線エリアの人口カバー率は98%を超えましたが、まだ非対応のエリアもあり屋内施設や高層ビル、地下鉄・地下街などでも電波が届きにくい場所があることから、それをカバーするためにauから回線を借りているのです。
パートナー回線も含めると人口カバー率は99.9%になります。
以前は、楽天回線は容量無制限でもパートナー回線では通信量が5GBを超えると速度が最大1Mbpsに制限されるという条件があったのですが、2023年6月からはこれが無くなり、auの回線でも容量無制限で高速通信ができます。
これにより、楽天回線のエリア外に住んでいる人でも利用しやすくなっています。
また、楽天回線エリア内でもつながりにくい場所もあったため、au回線でも容量を気にせずに利用できるようになったのは都市部の人にもメリットがあります。
WiMAXのスタンダードモードのau 4G LTE回線はプラチナバンドと呼ばれる800MHz帯に未対応なので、auのプラチナバンドしか電波が届かないような場所で使うことが多いなら、パートナー回線でプラチナバンドが使える楽天モバイルの方が良いでしょう。
楽天モバイルの対応エリア確認はこちら⇒楽天モバイル
契約期間と料金・端末代
ここからはサービス条件を比較します。
契約期間と解約金(契約解除料)
楽天モバイルとWiMAXのどちらも契約期間の縛りは無く解約金も無いため、いつでも無料で解約ができます。(WiMAXは一部のプロバイダーでは2年契約のプランもあります。)
楽天モバイルは1年以内の解約でサービスの利用意思がないのに契約を申し込んだと客観的、合理的に判断された場合は契約解除料として1,078円が請求されますが、あくまで利用意思がないのに申し込んだ人が対象で、普通に使っていれば1年以内に解約しても契約解除料は発生しません。
WiMAXのプロバイダーの中には端末代を実質無料にするためのキャッシュバック特典を用意してキャッシュバックの受け取り時期を利用開始の1年後としているところもあるため、こうしたプロバイダーを利用する場合は最初の1年間は縛られることになります。
契約事務手数料と月額料金
契約時の事務手数料と月額料金は次のようになっています。
サービス名 | WiMAX+5G | 楽天モバイル |
プラン名 | ギガ放題プラスS | Rakuten最強プラン |
契約事務手数料 | 3,300円 | 0円 |
月額料金(税込) | 初月 1,089円(満額) 1~12か月目まで 3,748円 13~35か月目まで 4,334円 36か月目位以降 5,104円 |
3GBまで 1,078円 20GBまで 2,178円 20GB以降 3,278円 |
WiMAXは契約事務手数料が3,300円ですが、楽天モバイルは無料です。
WiMAXの月額料金は最初の3年間は割引された料金になってますが楽天モバイルより高いです。
楽天モバイルは月間の使用した通信量に応じて決まる段階料金制になっていて、月間通信量が3GBまでなら1,078円、20GBまでなら2,178円、20GBを超えたらどれだけ使っても3,278円です。
楽天モバイルはWiMAXより安い月額3,278円で容量無制限で使えるうえに使用量が少なかった月は料金が安くなります。
以上より、初期費用と月額料金のどちらも楽天モバイルの方が安いのは明らかです。
また、22歳以下の人は「最強青春プログラム」で23歳の誕生日前月までは楽天ポイントが毎月110pt還元されるため実質110円安く利用できます。
端末代
GMOとくとくBBのWiMAXは端末代が有料で価格は27,720円です。
36回の分割払いになっており月々770円が月額料金に加算されます。
ただし後で解説しますが、GMOとくとくBBでは25,000円のキャッシュバックがあるため、これで還元される分を差し引くと自己負担額は2,720円になります。
楽天モバイルは、回線契約時に同時に端末を購入できるほか、自分のスマホが楽天モバイルに対応している機種ならSIMのみを契約すれば端末代はかかりません。
また、スマホの同時購入の場合は端末代がかかりますが、モバイルルーター「Rakuten WiFi Pocket 2C」ならキャンペーン割引で1円で購入できます。これについては後で説明します。
WiMAXと楽天モバイルの端末のスペック比較
ここではWiMAXと楽天モバイルで用意されているモバイルルーターのスペックを比較します。
WiMAX+5G | 楽天モバイル | |
機種名 | Speed Wi-Fi 5G X12 | Rakuten WiFi Pocket 2C |
発売日 | 2023年6月1日 | 2022年2月28日 |
メーカー | NECプラットフォームズ | 楽天モバイル |
サイズ (高さ×幅×厚さ) |
約68×136×14.8mm | 約64.8×107.3×15mm |
重量 | 約174g | 約107g |
カラー | アイスホワイト シャドーブラック |
ホワイト ブラック |
最大通信速度 | 下り 3.9Gbps 上り 183Mbps |
下り 150Mbps 上り 50Mbps |
5G対応 | 対応 | 非対応 |
Wi-Fi通信規格 | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax (2.4GHz/5GHz) |
IEEE802.11b/g/n (2.4GHz) |
同時接続台数 | 17台 (WiFi16台/USB又はLAN1台) |
16台 (WiFi:16台) |
バッテリー容量 | 4,000mAh | 2,520mAh |
連続通信時間 連続待受時間 |
約9時間 約7時間 |
約10時間 約300時間 |
WiMAXのX12は5G回線にも対応していますが、Rakuten WiFi Pocket 2Cは5G非対応で、通信できるのは4G LTE回線のみです。
最大通信速度もX12の方が圧倒的に速いです。
Wi-Fiの対応周波数は、WiMAXのX12は5GHzに対応していますが、Rakuten WiFi Pocket 2Cは2.4GHz帯のみです。
WiMAXのX12はPCとはUSBケーブルやLANケーブルで有線接続て通信することもできますが、Rakuten WiFi Pocket 2CはWi-Fi接続のみです。
X12は別売りのクレードル(充電台)付いているLANポートを使って有線LAN接続します。
連続通信時間はRakuten WiFi Pocket 2Cの方が1時間長く、連続待受時間はRakuten WiFi Pocket 2Cの方がかなり長いです。
以上より連続待受時間を除けばWiMAXの端末の方が高性能です。
ただ、楽天モバイルでは5Gや5GHzのWi-Fiに対応したスマホでテザリング機能を使ってルーター代わりにする方法もとれるため、Rakuten WiFi Pocket 2Cのスペックの低さが気になるなら、スマホで利用するのが良いでしょう。
WiMAXと楽天モバイルの速度
通信速度については使う場所の電波の強さに左右されるため、どちらが速いかは一概には言えませんが、だいたいの目安は知りたいのではないでしょうか。
みんなのネット回線速度というサイトがあり、こちらで全国のユーザーが速度測定した結果が見れるので参考になります。
それによると、WiMAXと楽天モバイルの速度平均値は以下のようになっていました。
サービス名 測定端末 |
WiMAX Speed Wi-Fi 5G X11 |
楽天モバイル 上:Rakuten WiFi Pocket 下:スマートフォン |
下り速度(Mbps)※ | 98.28 | 27.88 90.57 |
上り速度(Mbps)※ | 25.15 | 22.71 31.34 |
Ping値(ms)※ | 47.37 | 56.14 50.04 |
(※引用元 みんなのネット回線速度 直近3ヶ月に計測された平均値)
楽天モバイルは、モバイルルーターのRakuten WiFi Pocketで測定した速度はWiMAXより遅いです。端末の速度性能の低さが測定値にも表れています。
スマホで測定した結果で比べると、下りはWiMAXの方が少し速く、上り楽天モバイルの方が少し速いです。
私が以前WiMAXを使っていたときは、最も速い場合が外出時に都市部で測定したときの下り60Mbps台で、自宅でも外でも上りは10Mbps以下のことが多かったですが、5Gの普及や端末の高性能化により速度水準は上がっているようです。
関連記事:WiMAXの速度測定
現在は楽天モバイルを利用しており、自宅にいるときにスマホで速度測定したときは下りが70Mbps台、上りは50Mbps台の速度で、WiFiテザリング(2.4GHz)でPCで速度測定したときには下り・上りともに40Mbps台の速度が出ていました。
楽天モバイルの回線は他のモバイル回線と比べて上り速度がやや速い印象があります。
関連記事:楽天モバイルをテザリングで使ってみた
キャンペーン特典
各サービスで申し込み者には下記のキャンペーン特典が用意されています。
楽天モバイルは①~③のどれか1つを選ぶことになります。
WiMAX(GMOとくとくBB) | 楽天モバイル |
①申し込み特典 25,000円キャッシュバック ②他社の解約金還元特典 40,000円 |
①MNPで乗り換え特典 6,000ポイント ②紹介特典 6,000ポイント又は13,000ポイント ③モバイルルーター1円購入キャンペーン |
WiMAXの申し込み特典
GMOとくとくBB WiMAXでは申し込み特典で25,000円のキャッシュバック特典があります。
他社からの乗り換えで解約金が発生する人は追加で最大40,000円までキャッシュバックで還元してもらえます。
解約金とは、他社のインターネット回線を解約するときに発生する解約違約金(契約解除料)や回線工事費残債、端末代残債、回線撤去費用などのことです。
なお、キャッシュバックの受け取り時期は利用開始してから1年後となっています。
楽天モバイルの申し込み特典
①MNP乗り換えキャンペーン特典
他社のスマホSIMから楽天モバイルへMNPで乗り換える人には楽天ポイント6,000ptがプレゼントされます。
受け取り条件になっている通話アプリのRakuten Linkで発信して10秒以上の通話をした月の翌々月末日ごろから3か月に渡って付与されます。
MNP乗り換えキャンペーンと併用可能なので乗り換えの人は合計9,000ポイントにできます。
②紹介キャンペーン特典
楽天モバイルユーザーの紹介リンクを経由して申し込むと新規契約の場合は6,000ポイント、MNPで乗り換えの場合は13,000ポイントがプレゼントされます。
受け取り時期は、紹介リンク先で楽天にログインした月の4か月後から3か月間に渡って付与されます。
楽天モバイルを新規契約する人で紹介キャンペーンを利用したい人は、よかったら私の紹介リンクを使ってください。
上記の紹介リンク先で楽天にログインしてから楽天モバイルに申し込み、開通後に通話アプリのRakutenLinkで発信をして10秒以上の通話をすることがポイントプレゼントの条件です。
③モバイルルーター1円キャンペーン
モバイルルーターを利用したい人には、Rakuten WiFi Pocket 2Cが1円で購入できるキャンペーンが用意されています。
楽天モバイルと端末をセットで申し込むと7,980円の端末代が7,979円値引きされて1円になります。
まとめ
使えるエリアについては、どちらも全国の広いエリアで利用できますが、WiMAXの方は容量無制限で使えるスタンダードモードがauのプラチナバンド(800MHz帯)に対応していないため、プラチナバンドの電波しか届かない場所に住んでいる人は楽天モバイルの方が良いでしょう。
速度については、どちらも電波が十分に届いている場所なら下りで50Mbpsくらいは出るようなので、光回線並みの速度を求めない人なら自宅の固定回線に変わりに使うことも可能です。
WiMAXは契約事務手数料の3,300円かかりますが楽天モバイルは無料です。
月額料金は、楽天モバイルが3,278円(税込)でWiMAXより安いです。
しかも、電話はRakutenLinkアプリを使えば無料通話ができるため、電話をかけることが多い人にはかなりお得です。
申し込み特典は、WiMAXは25,000円(通常)又は40,000円(他社回線からの乗り換えで解約金2万円以上)のキャッシュバックです。
楽天モバイルよりも手厚い内容ですが、WiMAXの端末代は27,720円なのでキャッシュバックによって実質2,720円で購入できることになります。
楽天モバイルはスマホをセットで申し込むなら端末代がかかりますが、キャンペーンで1円で手に入るモバイルルーターも用意されています。
1円モバイルルーターで申し込みたい人はこちら⇒楽天モバイル
MNPで楽天モバイルに乗り換える場合は特典で6,000ポイントがプレゼントされます。
さらに、新生活キャンペーンで3月29日9:59までに楽天市場で1,000円以上の買い物をすると3,000ポイントがもれるので合計で9,000ポイントにできます。
専用ページから申し込む必要があるため注意してください。
新生活キャンペーンのページはこちら ⇒ 楽天モバイル(新生活フェア)
紹介キャンペーンを利用すると、新規契約の人は6,000ポイント、MNPで乗り換える人は13,000ポイントがもらえます。
紹介特典を受けたい人はこちら⇒https://r10.to/h6Avmo
家のネット回線として家族で共有して使う場合、WiMAXのホームルーターは充電不要でコンセントに差したまま使えるので便利です。
ホームルーターを3年間ほど使うならWiMAXの方が低コストです。
ホームルータを使いたい人は以下の記事もチェックしてみてください。