固定回線代わりに利用されているモバイル通信サービスとしてはWiMAXが有名ですが、契約期間が3年縛りなどのデメリットもあるため他の選択肢を探している人もいるでしょう。
そんな人は2020年の4月から第4の携帯キャリアとしてサービスを開始した楽天モバイルは注目ですよ。
なぜかというと、楽天モバイルは楽天の回線エリアならデータ通信が容量無制限となっているからです。
楽天モバイルのスマホのテザリングで他のスマホやタブレット、PCなどを接続してインターネットを利用することが可能です。
しかも楽天モバイルの料金は月額3,278円(税込)でWiMAXより安いです。
さらに、WiMAXはデータ通信専用のサービスですが、楽天モバイルは携帯キャリアのため通話も可能で、アプリのRakuten Linkから発信すれば通話料は無料になるため、通話料込みで月額3,278円という料金はかなりお得です。
この記事では、固定回線の代わりとして利用する前提で楽天モバイルとWiMAXを比較して違いをまとめるので参考にしてください。
WiMAXは多くのプロバイダーから提供されていますが、ここでは人気があるプロバイダーのGMOとくとくBBのWiMAXを比較対象とします。
使えるエリアと月間容量
まず、各サービスが利用できるエリアと月間で使える容量(ギガ数)を解説します。
楽天モバイルの対応エリアと月間容量
楽天モバイルは、楽天が設置した基地局の電波を利用する「楽天回線エリア(4G・5G)」とauの基地局の電波を利用する「パートナー回線エリア(4G LTE)」の2つがあります。
サービスが開始したばかりで対応エリアは限られることから、非対応エリアをカバーするためにauから回線を借りているのです。これにより楽天回線エリア外に住んでる人でもauの対応エリアなら楽天モバイルを利用できるようになっています。
回線ごとに次のような違いがあります。
楽天回線:容量無制限
パートナー回線:容量無制限だが通信量が5GBを超えると速度が最大1Mbpsに制限
また、楽天回線は容量無制限としていますが、公式サイトには「公平にサービスを提供するため通信速度の制御を行うことがある」といった趣旨の注意書きがあり、ネットの口コミによると1日10GB使うと制限されるとの情報があります。
仮に1日10GBでも月間で300GBにもなるので、ほとんどの人にとっては十分な容量でしょう。大家族で共有するならともかく、一人なら1日10GB使いきるのも大変だと思います。
楽天回線は急ピッチで対応エリアを拡大しており、2022年2月4日時点で人口カバー率96%を突破しています。
人口の少ない地域ではまだパートナー回線の場合が多いですが、パートナー回線から自社回線へ順次切り替えていく方針が示されています。
WiMAXの対応エリアと使える月間容量
WiMAXはこれまで「WiMAX2+」というサービスでしたが、今年の4月から「WiMAX+5G」という新サービスが開始されました。
WiMAX+5Gでは、WiMAXの独自回線「WiMAX2+」に加えて、auの4G LTEや5Gの回線も利用できるようになっています。
WiMAX2+回線は、主要都市の人口カバー率が99%以上になっていますが、山間地などでは未対応のエリアがあったり、一部の地下や建物の奥の方では電波が届きにくい場所もあります。こうした場所にも対応できるようにauの回線も使えるようにしているのです。
WiMAX+5Gの通信モードは以下の2種類あります。
通信モード | 使用回線 | 月間容量 |
スタンダードモード | WiMAX2+ au 4G LTE au 5G |
容量無制限 |
プラスエリアモード | au 4G LTE(700-800MHz帯) | 月間15GBまで |
スタンダードモードの通信は容量無制限です。
ただし、「一定期間内に大量のデータ通信の利用があった場合、混雑する時間帯の通信速度を制限する場合があります。」という注意書きが記載されています。
楽天モバイルでもそうですが、一切の制約を無くしてしまうと回線に悪影響を与えるような極端な使い方をする人が出てくる可能性があるからでしょう。
ちなみにWiMAX+5Gは、以前は3日で15GB以上使用すると翌日の夜間に速度が概ね1Mbpsに制限されるという条件でしたが、2022年2月1日からこの条件が撤廃されたため、少なくとも1日5GBくらいのペースなら大丈夫なはずです。
プラスエリアモードでは「プラチナバンド」と呼ばれる700-800MHz帯の周波数帯の4G LTE回線を使います。スタンダードモードの4G LTEよりもこちらの方がカバーエリアが広いため、山間地などでスタンダードモードの回線が圏外の場合で役立ちます。
ただし、プラスエリアモードは月間15GB以上使うと速度が最大128kbpsに制限されるため、実質的に使えるのは月間15GBまでです。
また、プラスエリアモードは有料で、このモードを使った月は月額料金とは別に利用料の1,100円が発生する点にも注意が必要です。
使えるエリアと月間容量まとめ
楽天モバイルとauのどちらも5G対応エリアは現時点では一部に限られているため、ほとんどの人は4Gの対応エリアかどうかがポイントになります。
自宅が楽天回線エリアになっているか、近いうちに対応予定なら、1日10GBまでは高速で使えることがわかっている楽天モバイルの方が無難といえます。WiMAXは現時点ではどれくらいまでなら制限がかからないのか不明だからです。
2022年以降も楽天回線に対応予定になりそうないエリアに住んでいる人は、パートナー回線で5GB超過後に最大1Mbpsの速度で容量無制限で使えるという条件でも良ければ楽天モバイルを選ぶのもありですが、高速通信が月間5GBでは足りないならWiMAXの方が良いです。
WiMAXの方が対応エリアは広く、WiMAX2+回線かau 4G LTE回線の対応エリアに住んでいれば容量無制限で利用することができます。
まずは楽天モバイルの対応予定エリアを確認してみてください⇒楽天モバイル
契約期間と料金、その他の費用
ここからはサービス条件について比較します。
WiMAX方はGMOとくとくBBのギガ放題プラスの条件です。
契約期間と解約金(契約解除料)
楽天モバイルとWiMAXのどちらも契約期間の縛りは無く解約金も無いため、いつでも無料で解約ができます。
契約事務手数料と月額料金
契約時の事務手数料と月額料金は次のようになっています。
サービス名 | WiMAX+5G | 楽天モバイル |
プラン名 | ギガ放題プラス | Rakuten UN-LIMIT Ⅶ |
契約事務手数料 | 3,300円 | 0円 |
月額料金(税込) | 1~2か月目まで 1,474円 3~35か月目まで 3,784円 37か月目位以降 4,444円 |
3GBまで 1,078円 20GBまで 2,178円 20GB以降 3,278円 |
WiMAXは契約事務手数料が3,300円(税抜)ですが、楽天モバイルは無料です。
WiMAXの月額料金は最初の3年間は割引された料金になってますが楽天モバイルより高いです。
楽天モバイルは月間の使用した通信量に応じて決まる段階料金制になっていて、月間通信量が3GBまでなら1,078円、20GBまでなら2,178円、20GBを超えたらどれだけ使っても3,278円です。
月額3,278円で容量無制限で使えて使用量が少なかった月は料金が安くなります。
以上より初期費用や月額料金という点でも楽天モバイルの方が安くて魅力があります。
申し込みキャンペーン特典
各サービスで申し込み者には下記のキャンペーン特典が用意されています。
楽天モバイル ⇒ 楽天ポイント3,000~8,000Pをプレゼント
GMOとくとくBBのWiMAX+5Gで23,000円のキャッシュバックを実施しています。
さらに、他社からの乗り換えで解約違約金が発生する人にはキャッシュバックが最大49,000円に増額されます。
楽天モバイルでプレゼントされる楽天ポイントは、端末のセット購入の場合が3,000P、回線のみの契約が8,000Pです。
以上より、申し込み特典ではWiMAXの方がもらえる額が大きいです。
端末代
GMOとくとくBBのWiMAXは端末が有料で価格は21,780円です。
36回の分割払いになっており月々605円が月額料金に加算されますが、端末代の分は高額キャッシュバックでカバーできます。
楽天モバイルは、回線契約時に同時にスマートフォンを購入するほか、既に持っているスマホが楽天モバイルに対応している機種ならSIMのみを契約することができます。
スマホの同時購入の場合は端末代がかかりますが、キャンペーンにより一部の機種は値引きされており、中にはRakuten Hand 5Gのように申し込み特典と合わせると実質1円で購入できる機種もあります。
また、楽天モバイルには「Rakuten WiFi Pocket 2B/2C」というオリジナルのモバイルルーターもあり、今ならキャンペーンで実質0円にできます。スマホのテザリングではなくルーター専用機を使いたいならこちらが選択肢になるでしょう。
端末代はどちらも自己負担を実質0円にできるため優劣はないのですが、WiMAXの強みはコンセントに差して使うホームルーターの端末も選べることです。
ホームルーターはコンセントに差しっぱなしで使えるのでバッテリー切れの心配が無く充電の手間もかかりません。Wi-Fiの電波が届く範囲もモバイルルーターよりは広いため、外で使うことはなく自宅のネット回線専用で使うつもりならホームルーターは便利で、工事不要の「置くだけWiFi」として人気があります。
興味がある方はこちら⇒GMOとくとくBB
楽天モバイルとWiMAXの速度
通信速度については使う場所の電波の強さに左右されますが、参考までに私の場合を書きます。
まず楽天モバイルですが、自宅が楽天回線エリア外でパートナー回線(au)のときに測定したところ、速度はだいたい平均して下り5Mbps程度でした。
外出時に楽天回線エリアに行って速度測定したところ下り30Mbps、上り10Mbp台は出ていました。
少し離れた場所でパートナー回線になったときに測定したら5Mbpsくらいだったので、楽天回線の方が高速という印象を受けます。
WiMAXはこれまで使ってきて自宅では速いときで下り10Mbps~20Mbps台です。
外出時に都市部で測定したときは最も速い場合で下り60Mbps台でした。
WiMAXは電波が強い場所で実力を発揮できれば高速ですが、建物の奥の方になると電波が弱まり遅くなることがよくあります。
関連記事:WiMAXの速度測定
まとめ
使えるエリアについては、WiMAX2+とau 4G LTEの回線の両方に対応するWiMAXの方が広いです。
楽天モバイルは独自回線が未対応のエリアはauの4G LTE回線で利用できるようにしていますが、使用量が月間5GBを超えると速度が最大1Mbpsになるという制約があります。
このため、自宅が楽天回線エリアになっているかどうかが最初の判断材料になります。
月間容量は、楽天モバイルの楽天回線エリアは容量無制限ですが1日10GBで制限されるとの情報もあります。
WiMAXはスタンダードモードの容量は無制限ですが、例外的な制限条件はあり、どれくらい使ったら制限されるのかは現時点では不明です。
以前は3日で15GBというように制限がかかる使用量が明確に決まっている条件だったので、おそらく1日5GBまでなら大丈夫でしょう。
WiMAXは契約事務手数料の3,300円かかりますが楽天モバイルは無料です。
月額料金は、楽天モバイルが3,278円(税込)でWiMAXより安いです。
しかも、これは通話料込みの月額料金なので、電話をかけることが多い人にはかなりお得です。
申し込み特典は、WiMAXは現金23,000円(通常)又は49,000円(他社かの乗り換え)のキャッシュバックで、楽天モバイルは3,000~8,000ポイントとなっており、もらえる額はWiMAXの方が大きいです。
ただし、WiMAXの端末代は21,780円のため、キャッシュバックは実質的に端末代の分を還元するような形となっています。
楽天モバイルはスマホをセットで申し込むなら端末代がかかりますがキャンペーンにより一部の機種は高額ポイント還元されるため実質負担額は格安か無料にできます。
また、別のキャンペーンで実質無料で手に入るモバイルルーターも用意されています。
速度については、どちらも電波が十分に届いている場所なら下りで数十Mbpsは出るので、光回線並みの速度を求めない人なら自宅の固定回線に変わりに使うことは可能です。
通信量がそれほど多くなければ、楽天モバイルのスマホのテザリングやモバイルルーターのRakuten WiFi Pocketを家の固定回線代わりとして利用することも可能です。
楽天モバイルの最新キャンペーンを確認する⇒楽天モバイル
家のネット回線として家族で共有して使う場合、WiMAXのホームルーターは充電不要でコンセントに差したまま使えるので便利です。
当面の間は自宅が楽天回線エリアにならない地域に住んでいて大容量を高速通信で利用したい場合や端末はホームルーターを使いたい場合はWiMAXの方が良いでしょう。
WiMAX+5Gの詳しい解説とおすすめプロバイダーの紹介記事はこちら↓
