WiMAX(ワイマックス)やPockeWi-Fi(ポケットWiFi)といったモバイルWiFiサービスは回線工事が不要なので端末が自宅に届いたその日からインターネットができ、料金も光回線より安くできるため通信費用の節約も可能です。
それなら、固定回線を引かずにモバイルWiFiを使えば良いのでは?と思うかもしれませんが、利用するなら2つの注意点を理解しておく必要があります。
モバイルWiFiサービスの弱点
1 速度は光回線に及ばない
高速モバイルインターネットとはいっても光回線ほどの速度は出ません。
WiMAXの最新端末ではスペック上の最高速度が1Gbpsに達した機種もありますが、実際の速度は100Mbps出ることも稀です。
WiMAX端末で速度測定したところ、地方都市の郊外にある自宅で下り速度が10Mbps台、駅近くの街中でも下り速度50Mbps台でした。
大都市なら100Mbps以上出ることがあるかもしれませんが、速度は使用場所の電波強度によるところが大きく、周辺に電波を遮る高い建物があるような場所や室内の奥の方だと電波が届きにくく速度が落ちる場合もあります。
場所や周辺環境によって電波の強さと速度が左右されることは無線インターネットの弱点です。
このため、PCでオンラインゲームや4Kなどの超高画質動画をストレスなく楽しみたい場合は高速で通信も安定している光回線の方が良いです。
それ以外の用途ならモバイルWiFiサービスでも対応できます。
下り速度が5~10Mbps程度でもWEBサイトを見たりYoutubeで標準画質動画を見るといった用途では十分使えるため、固定回線を引かずにWiMAXを自宅用のネット回線にしている人も多いです。
速度は光回線には及ばないですが、自分の用途には必要十分な速度が出て料金が安いなら利用価値はあります。
2 サービスによっては速度制限がある
光回線は容量無制限でネットが使えますが、モバイルWiFiサービスは高速通信で使える容量は限られています。
例えばWiMAXとPocket Wi-Fi(ポケットWiFi)は、月間の通信量の上限がない無制限プランがありますが、3日間の通信量が10GBを超えると一時的に速度制限がかかり制限後の速度は最大1Mbpsになります。
制限される時間帯は次のようになってます。
Pocket WiFi→当日の18時から次の日の1時頃まで
このため、速度制限がかかる使用量まで利用した場合だと月間の通信量は100GB程度になります。
確かに通信量の上限はないため「容量無制限」と言えますが、速度制限条件があるため高速のまま使える容量は限られているのです。
とはいえ、制限後の1Mbpsの速度でもWEBサイトを見るなどの軽い用途では十分利用でき、速度制限がかかるのも夜間だけなので、私のようなライトユーザーにはそれほど不便ではないと思います。
逆に、一人で1日に大量に通信する場合や家族で一つの端末を共有してインターネットを使う場合は3日で10GBでは足りず、制限がかかって夜の時間に高速通信できなくて不便に感じるでしょう。
ただし、速度制限されるのは夜間だけなので、ネットを使うのが主に昼間で夜はほとんど使わない場合や夜は1Mbps程度の速度で十分な用途でしか使わない場合なら、常に3日で10GB以上のペースで使って毎日夜間に速度制限がかかったとしても困らないかもしれません。
固定回線の代替手段としておすすめのサービス
ここからは、光回線ほど高速でなくても構わないのでモバイルWiFiサービスを利用したいという人におすすめサービスを紹介していきます。
定番のモバイルWiFiサービスがWiMAX
モバイルWiFiの代表格といえるサービスがWiMAXとPocke Wi-Fiですが、この2つではWiMAXの方がおすすめです。
上で書いたように、どちらも月間通信量の上限が無いプランがあり、3日で10GBの速度制限条件や高速のまま使える通信量が月間100GBまでなのも同じですが、料金はWiMAX方が安いためです。
WiMAXの累計契約者数は3000万件を突破しており、かなり多くの人に利用されていることからも人気の高さがうかがえます。
なお、2013年からは従来の「WiMAX」を高速化した新規格の「WiMAX2+」になっており、現在WiMAXと呼ばれているのは「WiMAX2+」のことです。
WiMAXの端末は、持ち運びできる小型のモバイルルーターと電源ケーブルをコンセントに挿して使う据え置き型のホームルーターが用意されています。
家の固定回線の代わりとして使うならホーム―ルーターが適していますが、外出先でも使いたいならモバイルルーターが良いでしょう。
現在の最新機種は、ホームルーターはHOME 02、モバイルルーターはWX06となっています。
WiMAXのプロバイダーはたくさんある
WiMAXの回線を運営しているのはKDDIのグループ会社であるUQコミュニケーションズです。
ドコモ、au、ソフトバンクといった携帯3キャリアとは別の独自のデータ通信回線を整備し、無線通信によるインターネットを利用できるようにしたサービスがWiMAXなんです。
UQコミュニケーションズからは「UQ WiMAX」が提供されていますが、他にも様々なプロバイダーのWiMAXがあります。
例えば、BIGLBOE WiMAXとかSo-net WiMAX、Broad WiMAXなど、名前は聞いたことがあるのではないでしょうか。
これらは何が違うのか気になる人も多いかと思いますが、WiMAXの回線自体を提供・管理しているのはUQコミュニケーションズなので、どのWiMAXを利用しても速度や安定性などの通信品質は同じです。
各プロバイダーで月額料金の割引やキャッシュバックなどの特典を付けて差別化して販売を競っており、本家のUQ WiMAXより料金を安く設定しているところがほとんどです。
契約期間が1年や2年のプロバイダーもありますが、総費用では3年契約のプロバイダーの方が安かったりします。
また、キャッシュバックを用意していても受け取り時期が利用開始してから1年後になっていたりと色々と注意すべき点もあります。
これら複雑な条件を理解してから利用するプロバイダーを選びましょう。
プロバイダーの比較はこちらでできます⇒WiMAXのおすすめプロバイダー比較
コンセントに指すだけでWiFiが使えるホームルーター
上でも少し書きましたが、自宅のネット回線専用として使う前提なら据え置き型端末のホームルーターを選ぶのも一つの方法です。
モバイルタイプのルーターは外に持ち出して使うこともできるのが強みですが、ホームルーターは出力が強いためWiFiの電波が広い範囲に届きやすいことや同時接続台数が多いといった強みがあるため、特に家族で使う場合はホームルーターが便利です。
それに、電源ケーブルをコンセントに指して使うため連続通信時間の制約が無く、バッテリーを充電する手間もかかりません。
一人暮らしの場合も自宅でネットを使うことはほとんどならホームルーターの方が便利です。
固定回転と違いコンセントに挿すだけですぐにWiFiが使えるようになるので、引っ越しが多い人に向いています。
ホームルーターが使えるWi-Fiサービスとしては、WiMAXとSoftbankAirがありますが、最近はソフトバンクと提携した業者がSoftbankAirを「モバレコAir」という名称で提供するようになり、こちらの方が料金が安くなっています。
このため、ホームルーターを使うならWiMAXかモバレコAirがおすすめです。
このWiMAXとモバレコAirを比較した記事がこちらです⇒ホームルーター比較【WiMAXとモバレコAir】
3キャリアの回線に対応するクラウドWi-Fi
2019年に人気化した「クラウドWi-Fi」と呼ばれるサービスは、クラウドWi-Fiサービスの端末は「クラウドSIM」という技術を採用しています。
従来のように端末に入れたSIMカードではなくサーバー上にある複数のSIM情報から使用場所に応じて最適なキャリアを選択して端末に適用するという仕組みによってドコモ、au、ソフトバンクの回線に対応しています。
携帯キャリアの4G LTE回線なので使えるエリアが広く、地下や建物の奥まった場所、山間部でも使うことが多い人には特に便利です。
月間の通信容量については以前は「容量無制限」としていましたが、一部の利用者が異常に多い通信を行ったことになどにより通信トラブルが発生したことを受けて、現在はほとんどのサービスで容量を月間100GBや1日4GBなどの条件に変更しています。
料金はほとんどが月額3千円台でWiMAXの3年契約のプロバイダーと同じくらいです。
2019年の9月以降にクラウドSIMの端末を使う類似サービスがたくさん登場しているため、利用条件を比較して自分に合ったサービスを選びましょう。
クラウドWi-Fi各社を比較した記事がこちら⇒クラウドWiFiサービスを比較